京都市右京区にある大雲山・龍安寺(りょうあんじ)。臨済宗妙心寺派に属する禅宗のお寺です。
15個の石を配した枯山水の石庭が有名です。
龍安寺創建の歴史
この項目は、Wikipediaを参考に編集しています。
円融天皇の祈願寺・出家先
平安時代初期に、円融天皇(後の朱雀院上皇)のお寺として創建されました。
出家後はお住まいとなり、没後はその御霊を弔うお寺となりました。
徳大寺家の別荘
平安時代後期に、藤原北家閑院流の支流として、藤原実能(ふじわらのさねよし)が與した家系「徳大寺家」。
徳大寺実能は初代当主となり、円融院の所在地を別荘としました。
徳大寺実能と聞いてもあまりピンと来ないのですが、鳥羽天皇のいとこにあたる方です。
そして、すっごく遠いけど血縁ではないですが、ひいおじいちゃんの奥さんの一人が紫式部です。
皇室と縁の深い「仁和寺」が近くにある為、この場所が選ばれたのではないでしょうか。(ちなみに仁和寺は真言宗です)
敷地内にお寺も含む山荘となりました。
臨済宗妙心寺派の寺院
室町時代中期に、細川勝元が大徳寺家からこの地を譲り受け、臨済宗妙心寺派のお寺として創建しました。
大本山の妙心寺は龍安寺から徒歩で訪れることができる距離です。
臨済宗の妙心寺派は室町時代初期に開かれ、今では臨済宗の中でも最大の宗派となっています。
応仁の乱で、東軍総大将を務めたのが、創建者の細川勝元であった為、西軍の襲撃を受けて焼失してしまいましたが、勝元の子・政元が再興しました。
龍安寺へ向かう
京都駅からはちょっとアクセスが悪めな立地なので、二条城や嵐山を散策した後に訪れるのが効率よい気がしますが、逆を突いて朝一に行けば混雑が避けられる利点はありそう。
運賃だけを見れば断然バスがお得で、各バス停からも近め。
ただ、時間帯や交通状況によって車内が混雑したり到着までに時間を要するので事が考えられるため、電車もありではないかと思います~。料金も徒歩時間もバスにはかないませんが、嵐電に乗ってみたいならばぜひw
私は電車好きなので、あえて電車を利用しました!
バス利用
市バスの一律料金エリアの為、大人230円・子供120円です。
現金・交通系IC利用可能
運賃は後払いで、後方のドアから乗車し、前方のドアから降りる際に支払います。
降りる時は目的のバス停に着く前に、降車ボタンを押して知らせます。
電車利用
- JR嵯峨野線京都 → 太秦
京都駅からJR嵯峨野線に乗り、太秦(うずまさ)駅まで行きます。
嵯峨野線は京都駅が始発です。
日本で一番大きいホームナンバー34番ホーム。駅には普通電車のみが停車する為、乗車可能な電車は多い時間帯で1時間に4本ほどです。
京都駅のホーム仕様上、後方からしかホームに入れない為、前方1,2両目あたりが比較的混雑しにくいと思われます。
太秦駅で下車します。
太秦駅は京都方面のホームに改札があるので、陸橋を渡って移動して改札を出て、京福電気鉄道・嵐電の撮影所前駅を目指して歩きます。
太秦映画村へ向かう道と同じなので、誰かしら向かう方がいらっしゃって比較的分かり易いのですが、ホームは嵐電の線路を渡る前なので、映画村へ行く方に付いて行かないよう気を付けましょう~!
- 嵐電撮影所前 → 龍安寺
京福電気鉄道の撮影所前駅は無人駅です。電車は大体10分おきの運行、多い時間帯で1時間に6本ほどです。
嵐電・撮影所前駅 フィルムデザインの掲示板 車体が紫色な嵐電 後方のドアから乗って、降りる時に運賃を支払います。
現金・交通系IC利用可能
降りる時は、バスのように降車ボタンを押してお知らせしましょう。
- 龍安寺駅から徒歩7分ほど…?
龍安寺駅を降りたら龍安寺参道商店街。道標(写真内矢印)をたどりつつ、てくてく歩きますよー!
商店街にかけられているフラッグ、イタリアのチンクエテッレを思い出したっ
龍安寺参道商店街は少し細目の道で、歩道がないので気を付けて歩きます。
住宅も多く、交通量はそこそこあるので、決して道に広がらないように注意しましょう!
駅からしばらくはちょっとした商店街の様な雰囲気があり、ちらほらお店があります。平日はお休みの店舗が多いようですが、土日はカフェなども営業していそうでした。
その先に分岐があり、左向かい角に道標があります(若干見づらい)
この角を左に曲がり、少し行くと同じく左向かい角に大きめの道標があります。
この道標を見ると、この辺りが皇室と深いかかわりのある場所ということが分かります。
この角を右に曲がると・・・
まっすぐ龍安寺へ続く道になります。
新緑が美しい時期で、青々と茂るモミジのトンネルをくぐると、交通量の多い通りに出ます。
JRバス・市バス59系統をご利用の場合はこのあたりが降車所です。押しボタン式の横断歩道が設置されています。
道路を渡るといよいよ龍安寺に入ります。
厳密にいえば、大昔は駅のあたりから既に敷地内のようです
入り口へと続く階段はモミジが生い茂っていて美しく、秋の紅葉を思うとそれはもう想像もつかない景色なんでしょうね~・・・紅葉の時期に来てみたいと思いますが・・・混雑が少々苦手な私は尻込みしてしまいます(^^;
受付で拝観料をお支払いします。
方丈の入り口・寺務所でチケットのチェックがあるので失くさないようにしましょう!
駐車場は右手奥にあり、石庭を拝観される方に限り1時間無料とされているので、車でも訪れやすいと思います。
龍安寺を歩く
訪れたのが6月の上旬ということもあり、とにかく驚いたのがモミジの多さです。
山門をくぐると、青々としたモミジのトンネル。何度も言っちゃうけど、紅葉すごそう・・・
方丈への入り口である寺務所は「庫裡・庫裏(くり)」であった場所で、白壁と木組、三角の屋根が住居っぽい印象を与え、お堂の雰囲気はまだ感じません。
方丈とは住職がお住まいとされているところです。
龍安寺では仏殿・ご本尊(釈迦如来)の一般公開はされていません。
枯山水の石庭
寺務所でチケットを見せ、寺務所から中に入ります。
入ってすぐに、枯山水の石庭が目に飛び込んできます。
個人的な感想ですが、写真などで事前に見ていたときはもう少し広くて大きいお庭をイメージしていたため、思っていたよりかなりこじんまりしていると思いました。
とはいえ、10m×25mと聞けば、25mプールと同じくらいの大きさなのでその一面が庭と考えると、かなりのこだわりを感じます。
正面からではなく、少し斜から眺めることによって首や目を動かすことなく全体を眺めることができる広さになっています。
座って眺めるのと、立ち上がって眺めるのでもまた違った見え方になります。配置されている石は15石とされていますが、苔などによってかなり埋もれているようにも見えます。
お庭が出来上がったその頃と今では様子が変わっているのではないかと思いますが、それをも見越した造りであり、それもまた経年を感じさせ良い風合いになっているのだと思います。
寺務所は白壁ですが、石庭を囲む壁は土塀です。
土塀の風合いが、屏風や襖、掛け軸の背景にも見えて、実写でありながら絵画の様にも見えました。
置かれている石の中に緑色片岩が含まれているらしく、緑色片岩と言えば秩父のイメージなのでそこから運んできたのでしょうか…。
このお庭が有名になったのはエリザベス2世女王とフィリップ王が訪日時に訪れたからなんですね。
吾唯足知
つくばい(蹲踞)と呼ばれる、茶室に入る前に手や口を清める為の鉢に彫られている、「吾唯足知」という言葉。
吾唯足知 われただたるをしる
4つの漢字に共通する口が中心になっていて・・・本当によく考えられているし、よく出来てますね。
知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し
禅の教えで、満足することを知っている人は、貧しくとも幸せであり、満足することを知らない人は、たとえお金持ちであったとしても不幸であるということ。
貧しい=不幸、お金持ち=幸せという思考が入っているように聞こえますが、そこが一番分かり易いから?
つまり「足りて幸せ」のさじは自分次第で、自分が満足で幸せだと感じられる手段を知っている人は幸せであり、満足する手段を知らない人は幸せを感じにくいってことでしょう。
いや、足りないことが幸せだと思う場合もあるかも?RPGクリアしたらもうやることなくて悲しいとかね。
自分がどうすれば幸せと思えるか、自分をよく知るってことなのではないかと、私は解釈しております。
鏡容池など
石庭・方丈・仏殿を囲む土塀には2か所出入り口のようなところがあって、それぞれ違う家紋が置かれていました。
砂利道の脇には青々と苔や木々が生い茂り、大きめの置石いくつかあって目を惹きます。
順路に沿って進むと、鏡容池の周りを歩くことになります。
少し大きめに周ると、ビルマ戦没者の慰霊碑や納骨堂へも訪れることができ、その先に一風変わったスタイルの木がありました。
あまり見たことが無い形でしたが、京都市内のお庭ではちらほら見ることがあったので地域の剪定スタイルなのかもしれません。
京都剪定スタイル!?
鏡容池へ流れ込む小川もまた風流。
6月上旬の鏡容池には蓮の花が咲いていました。
青々と生い茂る自然豊かな場所で・・・蚊に味見されそうになりました・・・(^^;
野外は仕方ないな